外にいるネコは捕獲しましょう!
皆さんの周りにはノラネコはいますか?
ノラネコに餌をやったり、可愛いがっている人はいますか?
確かにネコは可愛いです。
ですが可愛い面だけに注目していると、野外で生活するネコが引き起こしている様々な問題が見えなくなってしまうのもまた事実です。
ネコが引き起こす問題の対策を行うには、まずそこで起きている問題を正しく理解することが必要でしょう。
ネコが引き起こす問題
人間への影響
ネコが引き起こす問題で真っ先に思い浮かぶものといえば、糞尿が引き起こす悪臭だと思います。
道路やベランダ、公園の砂場などでネコの糞を見かけたことのある方も多いでしょう。
糞は悪臭だけではなく、トキソプラズマなどの寄生虫症の感染源となることもあります。
ネコからうつされる病気には他にも、SFTS(重傷熱性血小板減少症候群)というものがあり、特に西日本では流行しており、ヒトへの感染も度々起こっています。
まだ治療法が確立されておらず、死亡例もある恐ろしい病気です。
環境への影響
ネコがネズミを捕まえるというのは有名な話ですが、なにもネズミだけ捕まえているわけではありません。
小笠原諸島の御蔵島は、オオミズナギドリという鳥の世界最大の繁殖地として知られています。
オオミズナギドリは2004年には175万~350万羽いたと言われていますが、
2007年には100万羽、2012年には77万羽、そして2016年には11万羽と大きく数を減らしており、
実際に島に住むネコの糞を調べると、食べている物の80%はオオミズナギドリであることが分かっています。
ネコの捕食によって希少生物が数を減らしている分かりやすい例ではないでしょうか。
「それは島での話だろ!生き物の少ない町中ならいいじゃないか!」と思われる方もいるかもしれませんが、
身近にも絶滅の恐れがある生き物は生息しており、小型齧歯類や鳥類、虫や魚など調べてみるとたくさんの種がレッドデータブックに掲載されていることが分かります。
さらにネコには、捕食のためではなく遊びでこれらの生き物を狩る習性があります。
生態系システムの一部として捕食されるのではなく、ネコの遊びのために数を減らすというのはなんとも悲しいものです。
ネコ自身への影響
野外で過ごしているネコを見ていると、悠々自適に暮らしているように見えますが、実は我々の知らないところでネコは苦労しています。
前述のように、野外で過ごしていると様々な感染症のリスクがあります。
しかし、感染症を患ったところで、誰もノラネコを動物病院に連れていたりはせず、ただ衰弱して死ぬのを待つことになります。
また、野外で生活するネコにとって一番危険なのは交通事故です。
保健所に引き取られて殺処分されるネコの数よりも交通事故で亡くなったネコの数の方が多かったという自治体もあります。
このように、ネコが野外で生活するというのはヒトにも自然にもネコにも悪影響しかないことが分かると思います。
しかし、皆さんの周りにもいるであろう”ノラネコに餌をやっているあの人”は、
善意で餌やっていると思い込みながら、不幸になるネコを増やし続けているのに他なりません。
ネコが幸せになるためには、室内で適切な飼育を行うことが必要不可欠です。
奄美大島のネコ対策を巡って
ここで環境への影響について取り上げてみようと思います。
奄美大島には、アマミノクロウサギを始めとした固有種や希少生物が生息していますが、近年その数を減らしています。
その原因の一つにノネコの存在があげられており、その捕獲が進められています。
もちろんかわいいネコちゃんを捕獲して殺処分する訳で、愛護団体からの反対は根強いものです。
しかしその愛護団体の反対もお粗末なもので、現実に則っていない主張を行っています。
そこで以下の記事によると「奄美大島で進むノネコ捕獲に、5つの大きな謎」があるようなので、謎解きを行っていきたいと思います。
https://petomorrow.jp/news_cat/77184
疑問1:クロウサギの個体数は増え続けているのに、なぜ?
奄美大島には、ネコ以外にもクロウサギを捕食するマングースが生息しており、
マングースが定着した場所では、クロウサギは局所絶滅していたと言います。
クロウサギの個体数が増えたのは、マングースの捕獲を行い、その個体数を減らしたからで、依然ネコの捕食は続いています。
同じようにネコの数を減らすと、クロウサギの個体数がさらに増加するということを意味すると思うのですが、彼らはそう思わないようです。
個体数が増えているのであれば、少しの犠牲は仕方ないということなのでしょう。
それならば、日本の飼い猫の個体数は増え続けているので、奄美の犠牲くらいは仕方ないということになりませんか?
疑問2:死因の大部分はノネコと関係ないのに、なぜ捕獲する必要があるの?
このデータは路上で回収された死体の死因分析を行った結果によるものです。
交通事故は路上でしか起きないわけで、当然その割合も大きくなります。
ノネコによるクロウサギの捕食はヒトの目の届かない場所で行われることがほとんどであり、
死体が回収されることもないので、死因として計算されていません。
また、マングースの駆除でクロウサギの個体数が回復したことも述べられていますが、
これはノネコがクロウサギを捕殺していないということを示すことにはなりません。
疑問3:なぜ譲渡のハードルが異常に高いの?
疑問4:なぜ捕獲したネコの情報を公開しないの?
こちらの行政に関しては、知識があまりないために半分推測になります。
殺処分を避けたいという気持ちは理解できますが、ネコの数を減らすためには、全体の7割の数を捕獲し続ける必要があります。
この数になると譲渡などが間に合わず、保護しておく施設の容量が足りなくなってしまうため、譲渡のハードルをあげて殺処分を行っているのではないでしょうか。
引き取り手が少ない現状でなんとか対策を取るための苦肉の策ではないでしょうか。
疑問5:世界自然遺産登録のためには、かえってマイナスになるのでは?
記事にあげられているユネスコの理念に「多様性の尊重」「非排他性」「人の心の中に平和のとりでを築く」があります。
「平和のとりでを築く」に関しては定義が曖昧なためここでは触れませんが、
ノネコの駆除は「多様性の尊重」「非排他性」という面では理にかなっています。
島の自然環境というのは、他の場所と隔離されているために独自の生態系が存在しており、それこそが自然遺産的な価値となります。
そこに種レベルでマジョリティであるネコが入り込み、マイノリティの固有種を捕殺していることで多様性が失われています。
これはネコの排他性に他ならないでしょう。
ネコ問題を解決するためには
ネコ問題を解決するには、野外で生活するネコを減らしていく、飼い猫は室内で適正に飼育されるようにするということにつきます。
野外で生活するネコを減らしていくことに関しては、捕獲する、餌やりなどで個体数を増やさない、捨て猫をさせない、
適正飼育に関しては、条例などで、室内外や遺棄に関しての決まりを作るなどの対策が考えられます。
どちらに関しても、市町村だけ、民間だけの努力だけで達成できるものではなく、そこで起きている問題を理解し双方が解決するために協力しなければ達成し得ないことです。